2016-12-31

2016年を振り返って

 
  毎年大晦日にこの一年を振り返っています。

今年は将棋界に激震が走りました。このことについて触れずにはいられないかと思います。
将棋ファンの方々に悲しい思いをさせ、誰一人プラスになっていないこと。
私が感じたことは、思い込みの危険さ、情報を多方面から得ることの大切さです。

数年前、自分自身も最初に入ってきた情報で頭がいっぱいになってしまい、それが正義とか、感情に左右されやすいものだと尚更判断を誤ってしまったという経験がありました。一度とった行動を正当化したいために、その後の提言も素直に受け入れられなく、軌道修正が遅れてしまった・・・。

交渉や話し合いでは自分の利益だけでなく、相手の利益も最大化する努力が必要と思いますが、勝ち負けの世界では、駆け引き的なものはあっても根本の思考が真逆で、いかに自分の利益を最大化し、優位に進めるか、ということだけを考えます(盤上では当たり前といえば当たり前のことなのですが。)そういった思考が、自分でも気がつかないうちに盤外でも出てしまっていたことがあり、外部理事から「将棋は先を読むゲームなのに、その他のことは1手先も読めていないのでは・・」と苦言を呈されました。

代表理事として来年4年目に入りますが、ある程度慣れてきた時期だからこそ、目上の人やその道の経験豊富な人のアドバイスを素直に聞き、情報を得るということが大事と感じています。

この将棋界の難局を皆で乗り越え、信頼を取り戻すことができるよう、女流棋士の一人として努力していきたいと思っています。

個人的な対局成績は昨年に引き続き、指し分け。女流名人戦リーグ入りの一番を逃したことなど納得のいく成績ではありませんでしたが、マイナビ女子オープンでは初めてベスト8まで進みました。年明けの対局では、恥ずかしくない将棋を指せるよう精進します。

来年は女流棋戦でもLPSAでの活動でも明るい話題を提供できるように日々頑張っていきたいと思います。いつも応援していただいている皆様に感謝の気持ちを込めまして・・・

 皆様どうか良いお年をお迎え下さい。

 
                                                                              20161231日 中倉宏美